こんにちは、昨日ぶりですね。今日も昨日に引き続き、THE BACK HORNについて語っていきたいと思います。
まだまだ全然語り尽くせてないので。前回は闇について話したと言うことで今回はその逆、希望について注目していきたいと思います。
前回の記事を読んだ方は、バックホーンは暗いことばかり歌っているバンドと思ったかもしれませんが、そんな事はありません。いや、まあ多少はあるんですけど。でも彼らが歌う希望の歌も、すばらしいんですよ。光があるから闇があるのなら、その逆も然りということです。世の中の絶望を知っているからこそ、彼らが歌う希望はとても優しく、暖かいものとなっています。
それでは、そんな彼らの希望の歌を紹介していきます。
キズナソング
THE BACK HORNの"キズナソング"をApple Musicで
彼らには珍しい、ストリングスが入った王道のバラードソング。切ないイントロのギターにメロディアスなベースが絡み合います。そこにストリングスが加わり、優しく語りかけるようなAメロに。
誰もがみんな幸せなら歌なんて生まれないさ
だから世界よもっと鮮やかな悲しみに染まれ
確かに、彼らは幸せな歌ばかりを歌うわけではありません。悲しみや痛みをテーマに歌を歌うことが多い彼ららしい前半のフレーズ。
でも、だから世界よもっと鮮やかな悲しみに染まれ、なんて本当に彼らにしか歌えないフレーズだと思います。この部分は後半のある歌詞にも繋がっています。
そして、美しいメロディを響かせるサビが良い。ここまで真っ直ぐに前向きな事を歌う彼らは珍しいです。
ありふれた小さなキズナでいい
そっと歩みを合わせてゆく僕ら
だからこそ、この曲を聴くと胸にくるものがあります。鬱曲満載のsyrup16gが歌うRebornみたいなね。この歌詞を、純粋で凶暴でダークなTHE BACK HORNが歌うから良いんですよ。
苦しくたってつらくたって誰にも話せないなら
あなたのその心を歌にして僕が歌ってあげるよ
先程、世界よもっと鮮やかな悲しみに染まれと言った歌詞はここに繋がっています。あなたのその苦しみを、僕が歌にしようと言います。悲しみや苦しみは無くならないかも知れないけど、こうしてそれを歌にして歌ってもらえるのなら、少しでも報われる気がしますよね。だからこそ、この歌詞は素晴らしいと思います。
奇跡
THE BACK HORNの"奇跡"をApple Musicで
映画主題歌に抜擢される事が多いTHE BACK HORN。この曲も乙一さん原作の映画zooの主題歌として使われています。
常にどこか暗い雰囲気が漂うこの曲ですが、サビで一気に明るくなる瞬間が聞きどころです。
この曲は珍しく、ドラムスの松田さんが作詞を担当しています。
何処へ行くんだ
赤い目の防波堤
泣き疲れて
そろそろ気付いたんだろう
でも、誰が歌詞を書いたとしてもどこか彼ららしい言い回し。
基本的には彼らの世界感はダークなので。
だからこそ、このサビで鳴らされるメロディが映えます。
最後に掴んだ
この手にぬくもり宿る
奇跡なんて、最後に起こらなきゃ奇跡にならない。本当にギリギリで本当に限界間近の時にやっとで掴めるからこそ、それは奇跡になる。そんなメッセージが込められているみたいです。
忘れない いつの日か
辿り着くような奇跡
サビが素晴らしすぎて、サビの歌詞ばっかり取り上げてしまいますね。笑
輝く未来は
この手で開いてゆける
先程にも言いましたが、こういった前向きで希望に満ちたフレーズを彼らが歌うからこそ意味があります。
粉々に砕け散る頭蓋骨の山~とか歌ってたバンドがこう歌うんですからね。
Cメロからラストサビまでの駆け抜ける曲展開も素晴らしい。
初めての呼吸で
THE BACK HORNの"初めての呼吸で"をApple Musicで
もしかしたらバックホーンの歌で一番好きかもしれない一曲。
生活に寄り添った素朴で、でも力強い曲です。
PVもただ屋上で演奏する彼らと、不器用にカレーを作るギターの菅波さんがひた映されるものなんですけど、なぜかめっちゃ泣けます。多分このバンドの不器用な部分と、それをこうして隠さずさらけ出している真っ直ぐな部分に心を打たれるのでしょうね。
意識するわけでもなく常に行われている呼吸。それに初めての瞬間を加えて考える事で何か美しいものが見つかるのではないかって。当たり前に過ぎていくこの生活の中にも大事なものがあるんじゃないかって、そう思えるような。輝く明るい希望じゃないかもしれないけど、くたびれた退屈な生活の中に、一瞬だけ神秘的な誕生の瞬間の希望を見つけられるような、そんな淡い希望の歌。
夢を抱いて暮らしを背負って
生まれ消えてゆく洗濯機の銀河の中
夢を抱いて、でも暮らしだって背負って、そしてこの広い銀河の中生まれてはすぐ消えていく希望と絶望。夢を抱くからって別に輝かしい希望がすぐに生まれるわけじゃない。それどころか、小さな夢なら生まれても暮らしの中で押し潰されて生まれてはすぐ消えていってしまう。そんな生活のリアルさを感じてしまう一説。
疲れ果てて泣くだけ泣いて
「死んでやる」と飯を炊きながら日々を越える
どれだけ疲れ果てたって、泣くだけ泣いたって、死んでやると吐き捨てたって。結局飯を炊いて、それは食べては死なずに日々を超えていく。僕らは今までもこれからもきっとそうして暮らしていく。そんな僕らを見透かされたような気がします。
初めての呼吸で世界を理解した誰もが
そんなどうしようもない僕らだけど、生まれたてのその瞬間にきっと世界を理解した。当たり前のように産声を上げて、当たり前のように呼吸をした。その瞬間はきっと素晴らしいものだった筈だ。
初めての呼吸で歌ったメロディーを聴かせてくれ
初めての呼吸で好きだと言えたならいいのに
その瞬間に歌を歌えたなら、好きだと伝える事ができたらどれだけ良いだろう。そんな事を歌っているような気がします。
夜を越えて朝を越えて
闇を抱いて日々を越えて
毎日を超えて、彼らが歌うような闇を抱きながら、日々を越えて。
そんな思いを歌のラストで叫びます。この叫びが最後の最後で胸に刺さります。
必聴ですよ。
曲紹介は以上になります。THE BACK HORNの歌う希望の歌は、ほかのアーティストに比べたら希望の色が違うというか、その光はただ明るいだけのものではないかもしれません。でもだからこそ、暗い闇の中にいる時に救いを見つけられるような、そんなTHE BACK HORNらしい希望を与えてくれます。
そこがやっぱり良いんですよね。
あなたがそんな小さな希望を見つけたい時に、この記事を少しでも思い出してもらえたら光栄です。
ここまで読んでくれてありがとうございました。それではまた。